夏休み明けの心は台風の目

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夏休みも終わりに近づく今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

この時期のお天気って、不安定ですよね。台風が来たり、急に雨が降ったり。

実は夏休み明けの子どもたちの心も、この時期の空によく似てると思うんです。

台風の目って、周りは大荒れなのに中心だけ静か。
夏休み明けに荒れて戻ってくる子どもたちも、まさにあの状態。
外から見ると荒れてるけど、本人の中には何か大事なものが渦巻いてる。

でも台風の後には必ず台風一過がくる。嵐の後の晴れ間。
それを一緒に待てるかどうかが、大事なんだと思います。

早寝早起き神話を疑ってみよう

夏休み明けに子どもが朝起きられない、生活リズムが戻らないってなると、
「早寝早起きができない=ダメな子」みたいに感じてしまうことってありますよね。

でもちょっと待って。

「クロノタイプ」という概念があって、遺伝子的に「朝型か夜型か」は人それぞれなんです。
幼少期は基本みんな朝型なんですが、中高校生くらいの時期になると、
脳とホルモンの変化で夜型に移行しやすくなることがわかっています。

つまり、思春期の子が夜眠れない・朝起きられないのは、
意志の弱さじゃなくて、脳がそういう時期にあるということ。

しかも「早寝早起き=いいもの」として幼少期から刷り込まれてきたけど、
それが本当に「いいもの」になるかは人それぞれ。
わたし自身、遺伝子的に夜型なので朝活をしても生産性は上がらず…
苦行なだけで出力も上がりづらいのが現実です。笑

鈴木祐さんが新R25チャンネルで話していた言葉が刺さりました。
「夜型と朝型、どっちがいい?という質問自体が間違い。
大切なのは自分のクロノタイプを知って、それに合ったスケジュールを組むこと」と。

🔗 新R25×鈴木祐さん「朝型・夜型」の記事

だからといって今の状態を全肯定しろ、ということではありません。
例えば最近の夏の猛暑の影響で早朝練を余儀なくされている子達がいます。
毎回ふつうに行ってる子って、まじで偉いしすごいことですよ。
ぶーたれてたとしても、親に叩き起こされていたとしても、それだけで花丸。
そしてその状態を続けられる土台を作っているご家庭にも、拍手を送りたいです。

年齢別・夏休み明けの状態と関わり方

幼児〜9歳(赤い箱の時期)

花まる学習会の高濱正伸先生が提唱する「赤い箱・青い箱」という考え方があります。

赤い箱は幼児期〜9歳ごろ。「好き・楽しい」が全ての原動力になる時期です。

夏休み明けのこの時期の子どもたちに多い状態はこんな感じ。

  • 朝起きられない・生活リズムが戻らない
  • 登園・登校しぶり
  • ぐずる・甘えが強くなる
  • 腹痛・頭痛などの身体症状
  • 食欲不振・疲れやすい

「〇〇がいたい〜!」は仮病じゃなくて、本物のしんどさです。
「行きたくない」という気持ちが身体に出てる。

この時期の関わり方のポイントは、責めないこと。
まず身体のリズムを整えることが最優先。ほめて、楽しさで引っ張っていく。

そしてこの時期は特に、家が安心安全の土台になってるかどうかがそのまま出やすい。
家での安心感が、登園・登校への一歩につながっていきます。

10歳の移行期——「千と千尋の神隠し」の千尋が教えてくれること

10歳は赤い箱から青い箱への転換期。一番揺れやすい時期です。

この時期の子どもたちを一番わかりやすく表現してるのが、「千と千尋の神隠し」のオープニング数分間の千尋だと思うんです。

引っ越しの車の中で、ぶーたれながら後部座席に座ってる。親に対して生意気な口をきく。
自分だけの人間関係があるのよ!っていう雰囲気を出してる。
でもいざとなったら全部親頼み。笑

あの千尋の表情と行動が、10歳前後の移行期の子どもたちをめちゃくちゃよく表してると思うんです。

実は宮崎監督、映画のパンフレットにこんなことを書いていたそうです。「男の子にはラピュタ、女の子には魔女の宅急便、幼児期の子にはトトロがある。でもちょうどこの間くらいの時期の子たちに向けた作品を作りたかった」という趣旨のことを。

高濱先生が言う10歳のグレーゾーンの子どもたちに向けて、宮崎監督も同じことを感じていたんだなと。

ちなみにわたし自身、映画公開時にちょうどそのくらいの年齢で。
パンフレットに書かれていた内容が「わたし達のために作ってくれたんだ!」と
すごく嬉しかったので、よく覚えています。
そして千尋のあの感じ、めちゃくちゃ共感しました。笑

この時期の関わり方を間違えると、思春期にしんどくなりやすい。
赤い箱と青い箱、両方の関わり方が必要な一番繊細な時期です。

10歳〜中学生(青い箱の時期)

青い箱は11歳〜18歳ごろ。精神的な自立に向かう時期です。

夏休み明けのこの時期の子どもたちに多い状態はこんな感じ。

  • スマホ・ゲームによる昼夜逆転、生活リズムが戻らない
  • 「なんとなく行きたくない」が言語化できない
  • 友人関係のトラブルが表面化する
  • 引きこもりがち・外出を嫌がる
  • 反抗・無気力・荒れ
  • 1学期に溜め込んだ疲れが夏休み明けに噴出する

これ、表面だけ見て怒っても意味がない。

精神的な自立に向かう時期だけど、その過程で承認欲求が強くなって外に向かいやすい。
「スマホ触りすぎ」「好ましくない交友関係」「登校しぶり」——これ全部、表面的なサイン。

この時期の関わり方のポイントは、愛情を持ちつつ親以外の「外の師」に任せていく姿勢。
見守りながら、家庭以外の安全基地を作っていく。

学校では相談員、スクールソーシャルワーカー、スクールアシスタントなど、担任や顧問以外にも
話せる環境は意外とあります。また、習い事等のコーチ、塾の先生、地域の大人——そういう「親以外の信頼できる大人」の存在が、この時期の子どもたちにはめちゃくちゃ大事なんです。

マズローの欠乏欲求×SNSの泥沼

ここで一度、マズローの欲求5段階説の話をさせてください。

マズローの欲求5段階説

生理的欲求・安全の欲求・所属と愛の欲求・承認の欲求・自己実現の欲求。
この5段階のうち、下4つは「欠乏欲求」と言われていて、満たされないと強く求めるようになります。

本来この下4つは、家庭で満たされていることが望ましい。
でもそれが満たされていないと、「所属と愛」「承認」を外に求めすぎてしまう。

スマホ触りすぎ・好ましくない交友関係・登校しぶり——これ全部、表面的なサイン。
怒るんじゃなくて、「この子は今どの欲求が満たされていないんだろう」という目線で
見てほしいんです。

そしてここで現代特有の問題があって。
「所属と愛」「承認」の欲求って、SNSと相性が良すぎるんですよね。

SNSってそもそも、その欲求を満たすために最適化されて設計されてる。
いいね・フォロワー・コメント、全部が承認欲求に直接刺さる仕組み。

だから子どもに「適切に使いなさい」って言っても、正直無理だと思っています。
だって欲求なんだもん。しかも思春期の子は特にその欲求が強い時期。

大人だって依存するように設計されてるものを、子どもが「適切に」使えるわけがない。
だからこそ、SNSを取り上げる前に、そもそもの欲求が家庭や学校でどれだけ満たされてるかを見てほしいんです。

スマホ、SNSなどのネット環境との距離感は大人であっても難しいですよね。
なので「意思の力で、使い方をコントロールする!」は負け戦です。
ここは、我々大人も一緒に「仕組み化」していきましょう。

具体的には——

  • 寝室にスマホを持ち込まない(充電場所をリビングに固定する)
  • 食卓ではスマホなし(子どもだけじゃなく家族全員のルール)
  • 使える時間帯を決める(禁止より「この時間はOK」という許可制の方が反発が少ない)
  • iPhoneのスクリーンタイム・AndroidのデジタルWellbeingを活用して使用時間を可視化する

大事なのは親も同じルールを守ること。
親がダイニングでスマホ見ながら食事してたら、子どもは「自分だけ」と感じて反発します。

完璧なルールを最初から作ろうとしなくていい。
「寝室NG」だけから始めて、少しずつ整えていきましょ。

台風一過を待つ姿勢

ここまでいろんな話をしてきたけど、最後に一番伝えたいことを。

高濱先生の赤い箱・青い箱の話でもあるように、時期によって子どもへの関わり方は変わります。
赤い箱の時期はほめて楽しさで引っ張る。青い箱の時期は厳しさと見守りと外の師。

親の関わり方のレベルアップとバリエーションを増やしていくことが大事。

でも何より、台風一過を信じて待てるかどうか。

ここで一つ大事なことを。「待つ」というのは放置することじゃないんです。
こちらの言葉や意見を相手に受け取ってもらえるフェーズではない、ということ。
だからまず待つ。そして聴く。受容が先です。

青い箱の時期のお子さんだったら、頼れる師への頼りどきです。ここは遠慮せずに。

結局、人間同士の関係は頼り頼られで信頼関係が積み重なっていくんだから、
一人相撲はやめておくのが吉。
素直に「ありがとう」「すみません」「よろしくお願いします」を伝えて、
その師と協力しながらチームで乗り切りましょう。

スクールアシスタントとして別室登校の子たちと関わってきた中で、荒れてた子が落ち着いていく瞬間を何度も見てきました。必ず、晴れ間はくる。

今しんどいお子さんを持つ保護者の方へ。
あなたが毎日関わり続けていること、それだけで十分です。
台風一過を、一緒に待ちましょう。

まとめ

  • 夏休み明けの子どもの心は台風の目。荒れてるのはサイン、放置じゃなくて受容が先
  • 早寝早起き神話を疑う。クロノタイプは人それぞれ、思春期は夜型になりやすい脳の時期
  • 幼児〜9歳(赤い箱)はほめて楽しさで引っ張る。家が安心の土台になってるかを確認
  • 10歳は移行期。千と千尋の千尋みたいな時期。赤と青、両方の関わりが必要
  • 10歳〜中学生(青い箱)は外の師に頼りどき。一人相撲はやめよう
  • 表面的な行動を怒るんじゃなくて、一次欲求を見つめる
  • SNSは欲求と相性が良すぎる。意思の力より仕組み化で対応
  • 台風一過を信じて、一緒に待とう

必ず晴れ間はきます。

参考にしたもの

クロノタイプについて

自分の遺伝子的な朝型・夜型タイプを知って、それに合ったスケジュールを組むことが大事。タイプ別のタイムスケジュールも載っています。

🔗 パレオな男「クロノタイプの4類型」
🔗 新R25×鈴木祐さん「朝型・夜型どっちがいい?」

赤い箱・青い箱について

高濱正伸先生の著書。子どもの時期による関わり方の違いがよくわかります。

スマホ・SNSとの距離感について

意志の力に頼らずスマホ依存を断ち切る方法。

🎥 フェルミ漫画大学「脱スマホ術」解説動画

🎙️放送はこちら→https://stand.fm/episodes/6a8d4139d07c9ea08e157298

📝 深掘り記事・有料コンテンツはnoteで→https://note.com/lively_chef1135/all

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